アーティストは、素材を使わずに自分のアイデアを観客に見せることはできません。どの素材を使えばいいのか?どんな道具が必要で、どうやって作品を作るのか。このような疑問は、常に芸術的なプロセスの一部である。多くのアーティストがこの問題に取り組み、さまざまな解決策を生み出してきました。そしてその解決策は、現在のような多様な芸術手法へと発展していったのです。

今回の展覧会では、技術と表現の関係性に着目しました。今村洋平、榎本祐一、岡本麻紀、染谷悠子、日暮裕一、山本圭介の6名のアーティストの作品を展示しています。

新たな美術の動向へ向けた展⽰とシンポジウムの開催、そしてその記録化を継続的に⾏うことにより、それが美術と教育の場への新たな展開となる。
2013年から始まったCSP(Creative Spiral Project)。
その第2回展は「CSP2 -手法の触感」です。
美術家はつねに、イメージそのものをそのまま提示できません。必ず物体の形を借りることで、その提示は実現されるため、素材をどのようにするか。
手順を踏んでどうするか、どの道具を使うべきか、どうすれば耐久力があるのか、ある作品が作れるのか等という問題と向き合うことになります。
数多くの美術家たちがこれらの問題に向き合い、多くの解決法を生み出してきました。そうした問題解決の積み重ねが現在様々なものを生み出しています。
本展では、その手法と表現の関係に注目し、今村洋平、榎本裕一、岡本真希、染谷悠子、ヒグラシを紹介します。
ユウイチ、山本桂輔の6名の作家を選出いたしました。
今村洋平はシルクスクリーンをレリーフとも呼べる厚みになるまで刷り重ね、斜め位置から見た視差を積極的に取り込んだ作品を制作する
しています。榎本裕一はウレタン塗料を支持体に何層も塗り重ねることで制作を行っています。岡本真希は彫刻を学んでいましたが、。
身体と作品の関係を探る中で、コンテンポラリージュエリーの領域で制作を続けています。染谷悠子はキャンバスに直接描くという手順です。
だけでは生まれない絵画表現を獲得するために、リトグラフで色彩をのせた極薄の和紙をカット、コラージュしていく技法を編み出す
ヒグラシ・ユウイチは彫刻の素材として岩塩を選び、モチーフとの間の関係に迫っています。山本桂輔は木彫を出発点にしています。
絵画作品を同時に制作して独自のイメージを展開しています。
いずれの作家も、キャリアの形成過程においては絵画/版画/彫刻の手法を学びながらも、それらの手法に表現を委ねるのではなく、。
自らの表現のために転用/カスタマイズすることで、斬新な作品を生み出しています。転用に至る道筋が手作業の積み重ねの結果である。
でも、共通項として挙げられるため、タイトルを触覚的な手法の転用ー「手法の触覚」といたしました。
本展で紹介する、一見世代も作風も異なる作家たちの表現活動は、脈絡のないものに見えますが、手法を積極的に転用している、と。
視点を設定した時、作品に対する別の視座を獲得することができると考えます。

 

  • title : 手法の触覚
  • at : 桑沢デザイン研究所, 東京都渋谷区神南, 東京都渋谷区神南
  • 期間:2014年11月23日~12月2日
  • 参加者(さんかしゃ) : participants, such as a member of the Imperial family, etc. : a member of the Imperial family
  • CSP http://www.zokei.ac.jp/csp/archive.html